学位
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博士(文学) ( 2009年3月 大阪市立大学 )
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学術修士 ( 1989年3月 広島大学 )
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文学士 ( 1987年3月 明治大学 )
2026/03/07 更新
博士(文学) ( 2009年3月 大阪市立大学 )
学術修士 ( 1989年3月 広島大学 )
文学士 ( 1987年3月 明治大学 )
地域表象
人文地理学
地理思想
モダニティ
遊歩
街歩き
文化地理学
地域文化
郷土
アイデンティティ
場所
人文・社会 / 人文地理学 / 文化地理学
人文・社会 / 人文地理学 / 人文地理学(Human Geography)
大阪市立大学 文学研究科後期博士課程 地理学専攻
1989年4月 - 1994年3月
国・地域: 日本国
広島大学 生物圏科学研究科博士前期課程 環境計画科学専攻
1987年4月 - 1989年3月
国・地域: 日本国
明治大学 文学部 史学地理学科地理学専攻
1983年4月 - 1987年3月
国・地域: 日本国
神戸大学大学院 人文学研究科 准教授
2007年4月 - 2013年3月
神戸大学 文学部 助教授
1995年10月 - 2007年3月
九州大学 文学部 助手
1995年4月 - 1995年9月
日本学術振興会 日本学術振興会特別研究員 特別研究員(PD:大阪市立大学)
1994年4月 - 1995年3月
人文地理学会
歴史地理学会
経済地理学会
地理科学学会
日本都市地理学会
日本地理学会
歴史地理学会 常任委員
2025年4月 - 現在
団体区分:学協会
人文地理学会 理事
2024年11月 - 現在
日本地理学会 理事(広報専門委員会委員長)
2024年6月 - 現在
団体区分:学協会
人文地理学会 代議員
2022年10月 - 2024年9月
日本地理学会 理事(広報専門委員会委員長)
2022年6月 - 2024年6月
人文地理学会 代議員
2018年10月 - 2020年9月
日本地理学会 理事(編集専門委員会委員長)
2018年4月 - 2020年3月
歴史地理学会 評議員
2018年4月 - 2020年3月
人文地理学会 代議員
2016年10月 - 2018年9月
日本地理学会 代議員
2016年6月 - 2018年6月
日本地理学会 編集専門委員
2014年4月 - 2018年3月
日本地理学会 代議員
2010年4月
団体区分:学協会
デヴィッド・ハーヴェイ――都市空間形成に関する理論的・経験的研究と新自由主義批判 招待
都市計画 71 ( 6 ) 2022年
宮古神社移転顛末-予備調査報告- 査読
大城直樹
駿台史学 ( 172 ) 83 - 97 2021年
Okinawan Hawai'ian Immigrant Women and Place for Constructing Identity
OSHIRO Naoki
T. Fukuda eds.Materiarity, People's Experience and Making Geographical Knowledge 5 - 16 2020年3月
東京オリンピック1964と2020-都市(再)開発の様相に関するメモランダム- 査読
大城直樹
経済地理学年報 66 ( 1 ) 49 - 59 2020年3月
居場所と逃げ場--地理学から見た新型コロナウィルス
大城直樹
建築討論 ( 47 ) 2020年
東京オリンピックに向けて考える-グローバル化、都市・地域開発、セキュリティ-(荒又美陽,山口晋,小泉諒,杉山和明と共著) 査読
大城 直樹
E-Journal GEO 13 ( 1 ) 273 - 295 2018年5月
ベス・グリーナフ「人間を超えた諸地理」(部分試訳)-「人間を=超えた=人文地理学」とは何か?-
大城直樹
駿台史学 ( 155 ) 81 - 93 2015年
東アジア地域における琉球=沖縄のポジショナリティの変化について
大城直樹
Cultural Interaction Studies of Sea Port Cities (Korea Maritime University) ( 5 ) 87-108 2011年
大城 直樹, 荒山 正彦, 島津 俊之, 関戸 明子, 福田 珠己, 森 正人, 遠城 明雄
E-journal GEO 4 ( 2 ) 134 - 137 2010年
大城 直樹
人文地理 42 ( 3 ) 220 - 238 1990年
Political Economy of the Tokyo Olympics: Unrestrained Capital and Development without Sustainable Principles
( 担当: 共著)
Routledge 2023年
東京の批判地誌学
( 担当: 共著)
ナカニシヤ出版 2022年
人文地理学のパースペクティブ
( 担当: 共著)
ミネルヴァ書房 2022年
現代観光地理学への誘い:観光地を読み解く視座と実践
( 担当: 共著)
ナカニシヤ出版 2021年
惑星都市理論
( 担当: 共著)
以文社 2021年
世界の地誌シリーズ9 ロシア
( 担当: 共著)
朝倉書店 2017年
地域文化について考える
( 担当: 単著)
ミネルヴァ書房 2015年
ポストモダン地理学とは何であったのか? 招待
大城直樹
10+1 website ( 201906 ) 2019年6月
SHIMAZU Toshiyuki, FUKUDA Tamami, OSHIRO Naoki
人文地理 64 ( 6 ) 474 - 496 2012年
大城 直樹
文化學年報 ( 26 ) 31 - 45 2007年3月
Stereotypes and their appropriation : A research note on de-naturalizing the landscapes in Okinawa
大城 直樹
紀要 ( 31 ) 1 - 18 2004年2月
「場所の力」の理解へむけて -方法論的整理の試み-
大城 直樹
日本地理学会発表要旨集 = Proceedings of the General Meeting of the Association of Japanese Geographers 58 2 - 3 2000年10月
大城 直樹
紀要 27 429 - 451 2000年3月
文化=社会地理学とフ-コ- : 方法論的現状についての素描
大城 直樹
人間科学 2 125 - 141 1996年3月
1980年代後半の人文地理学にみられるいくつかの傾向-イギリスの最近の教科書から-
大城直樹
地理科学 48 91 - 103 1993年
宮古・八重山の御嶽と神社の位相
日本地理学会秋季学術大会 2022年9月 日本地理学会
Two Olympics and urban redevelopmrnt: 56 years in Tokyo 国際会議
大城 直樹
IGU 2018 Quebec Regional Conference, Quebec city convention center (Canada) 2018年8月
「地域文化」の概念的整理と現象分析への展開
大城 直樹
日本地理学会春季学術大会 2018年3月
地域における文化遺産・文化財-継承・活用・展望-(統一テーマ趣旨)
大城 直樹
駿台史学会大会 2017年12月
Aspects of borders that create discontinuity in the Ryukyu archipelago: a study of cultural territoriality 国際会議
大城 直樹
33rd International Geograohical Congress(IGC), 24 Aug., China National Convention Center(CNCC),Beijing (China) 2016年8月
沖縄民俗辞典
渡邊欣雄ほか編
2008年
新版 東南アジアを知る事典
石井米雄ほか監修
2008年
「居場所」と「逃げ場」に関する地理学的研究ー場所論の再構築に向けてー
研究課題/領域番号:24K21392 2024年6月 - 2027年3月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 挑戦的研究(萌芽)
大城 直樹, 北川 眞也, 原口 剛, 三浦 尚子
配分額:6500000円 ( 直接経費:5000000円 、 間接経費:1500000円 )
社会教育における郷土意識の発現形態に関する研究
研究課題/領域番号:19K01177 2019年4月 - 2023年3月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(C)
大城 直樹
配分額:3380000円 ( 直接経費:2600000円 、 間接経費:780000円 )
本年度は本来最終年度であったが,コロナ禍によってフィールド調査を行いにくい状況にあり,調査・研究が著しく滞ったため,2022年度にまで延長をすることとなった。第一のフィールドである沖縄には,沖縄県自体が陽性者数・率が高いためなかなか出張することがかなわなかったが,10月末から11月上旬にかけてと3月上旬の二度,どうにか行くことが出来た。時勢柄広域的なフィールド調査は控え沖縄本島,特に那覇周辺の関連施設に限定した。ただし集中的に当該地域を廻ることが出来たので,その分色々と実地検分することが出来,資料の読み込みと理解の上で大いに役立った。実質的には沖縄県立図書館での資料調査が中心となったが,やはり,小地域の地誌・史誌類が充実しているので,現地ならではの情報をかなり多く得ることが出来た。前年度に引き続き,とりわけ宮古神社の経緯について調べたが,写真資料が幾つか出てきて,風景の確認に大いに役立つこととなった。また文字資料では,沖縄固有の信仰の場である御嶽がいつごろからどのように国家神道的「神社」に読み替えられていくかを押さえることもできた。宮古神社や漲水「神社」をはじめとする宮古島の事例は,沖縄県内の他地域の様相とはかなり異なっていることが分かった。またやや類似する八重山神社のケースや乃木希典夫妻を祭神と目する乃木神社とも微妙に異なっているので,引き続きその実相を明らかにしていきたいと考える。
「被災地」陸前高田の場所再構築と地理学―感情・身体・ジェンダーと風土の視点から
研究課題/領域番号:18H00770 2018年4月 - 2022年3月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(B)
熊谷 圭知, 大城 直樹, 倉光 ミナ子, 村田 陽平, 杉江 あい, 池口 明子, 小田 隆史, 吉田 容子, 関村 オリエ, 久島 桃代, 中島 弘二
配分額:17290000円 ( 直接経費:13300000円 、 間接経費:3990000円 )
今年度は、以下の活動を行なった。(1)陸前高田を軸とする被災地の現地調査。5月上旬:杉江、6月中旬:熊谷、関村、久島;8月上旬:熊谷、関村;10月:吉田、倉光、関村が、それぞれ共同調査を実施。現地の研究協力者と連携しながら復興状況と場所喪失をめぐる課題について、行政関係者、現地NPO、防災集団移転の住宅地・災害公営住宅の住民などから聞き取り・資料収集を行なう。その他の分担者も個人で数回の調査を実施。
(2)研究成果の報告と共有。1)6月15日:陸前高田市で開催された国際開発学会第20回記念大会にて熊谷が報告(「被災地の復興と場所の再構築――2011~18年、陸前高田でのフィールドワークからの試論」)。学会員に加えて、地元の研究協力者たちも陪席し、終了後多くの貴重なコメントを得た。2)2月28日~29日:お茶の水女子大学で開催した科研グループ研究会にて、熊谷、吉田、大城、中島、池口、倉光、久島が報告。研究協力者の佐藤一男氏がコメント。また津波被災後の陸前高田を描いた映像作品「波のした、土のうえ」を上映。製作者の小森はるか・瀬尾夏美両氏の講演を得た。
(3)公開シンポジウムの開催(2020年2月29日、お茶の水女子大学)。陸前高田から研究協力者4名――佐藤一男氏(元米崎小学校仮設住宅自治会長)、岡本翔馬氏(桜ライン311代表)、東平享裕氏(桜ライン311理事)、菅原教文氏(酔仙酒造)――を招聘して、公開シンポジウムを開催(「私たちが『被災地』から受け取ったもの――陸前高田とお茶大、グローバル文化学環の9年間」)。熊谷、佐藤一男が報告、岡本がコメント。科研メンバーのほか、これまでの実習に参加したお茶大生・卒業生・教員、陸前高田関係者など、40名以上の参加を得た。研究成果の一部を下記の論文として刊行した(熊谷圭知「陸前高田の原風景と風土の復興」『環境と公害』Vol.49 No.4:pp.31-36.)
ポスト成長期のオリンピックに関する地理学的研究―メガイベントを通じた都市変容分析
研究課題/領域番号:17H02432 2017年4月 - 2022年3月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(B)
荒又 美陽, 大城 直樹, 山口 晋, 小泉 諒, 杉山 和明, 半澤 誠司
配分額:16250000円 ( 直接経費:12500000円 、 間接経費:3750000円 )
2020年度は、本科研全体の方向性が大きく揺らいだ1年だった。Covid-19パンデミックにより、東京2020大会は1年程度の延期となり、オリンピックとは何であったかと問うはずが、本当に開催されるのかどうかを問うことになったからである。また海外調査はもちろん、都道府県のまたぐ移動が制限されたために、予定していた調査は先送りにせざるを得なかった。結果として、研究全体を2021年度に持ち越すこととなった。
他方、2020年度は前年度までの3か年の成果を多く世に問うことができた1年でもあり、それによってさらなる研究の可能性も広がった。オリンピックの実施様態自体が大きく変化したために、思いがけない注目を集めることにもなった。
具体的には、まず、研究分担者の半澤誠司の尽力により、『経済地理学年報』において、この科研チームを中心とし、「都市・社会とオリンピック」と題した特集号を発表することができた。研究協力者の成瀬厚は英語圏でのオリンピック研究から地理学的主題のあり方を問い、研究代表者の荒又はロンドン・東京・パリと続くグローバル・シティのオリンピックの特徴を分析し、研究分担者の大城は東京の都市開発を1964年から2020年への変化の中でとらえ直し、山口は冬季五輪の施設の中で負荷の大きいボブスレー競技について文化地理学的な分析を行い、小泉は湾岸地域の変化を時代を追って整理し、杉山はメガ・イベントにかかわるセキュリティ対策について位置づけを行った。その後、荒又は特に東京とパリにおける開発の論点を整理して『観光学評論』でも発表した。また成瀬によるオリンピック関連の研究書2本の書評と、カッセンズ=ヌーアとロアマンによる英語論文の翻訳を公刊することができた。
以上により、日本語でのオリンピックに関する議論はかなり整理できたので、次年度は英語での公刊をめざしてさらなる研究を進めていく。
場所・物質・人の関係性に注目した知の形成に関する地理学史研究
研究課題/領域番号:17H02430 2017年4月 - 2020年3月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(B)
福田 珠己, 遠城 明雄, 大城 直樹, 森 正人, 北川 眞也, 原口 剛, 水内 俊雄, 島津 俊之, 荒又 美陽, 柴田 陽一, 橘 セツ, 網島 聖, 中島 弘二
配分額:16510000円 ( 直接経費:12700000円 、 間接経費:3810000円 )
近年の地理学史研究の潮流を鑑み、社会的経験および個人的経験と地理学知の形成・流通・実践について、アカデミズムの枠に捉われない広範な視点から検討した。その際、文化 ・社会・政治・歴史地理学の理論や方法論に関する議論をふまえ、場所・物質・身体が関係しあうプロセスに重点をおいた地理思想の考察について重点的に行った。また、本研究はそれ自体、過去から未来へと続く「地理思想」の流れの中に位置づけられものである。新たな成果を公開するだけでなく、1978年にはじまり本研究へと継続している地理思想史に関する研究成果についてオンラインアクセスを可能とするなど、地理学史研究のための基盤整備にも努めた。
「地域文化」の概念的整理と現象分析への展開―地理学方法論の試みとして―
研究課題/領域番号:15H03279 2015年4月 - 2018年3月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(B)
大城 直樹, 遠城 明雄, 森 正人, 加藤 政洋, 関戸 明子, 山口 晋, 島津 俊之, 濱田 琢司, 福田 珠己, 中島 弘二, 神田 孝治
配分額:15080000円 ( 直接経費:11600000円 、 間接経費:3480000円 )
本研究はこれまで自明視されることの多かった「地域文化」なるものを,学説史・理論,地域表象,地域組織の観点から,地理思想・方法論の最新の成果を取り入れつつ根底的に概念レベルから精査し,かつ具体的な事例分析を通して,その表象の仕組みを明らかにし,問題点を指摘し,有用化する試みであり,その成果として,「地域文化」の理解に包括的な知的枠組みを提供し得たものと考える。巷間に溢れる「地域文化」をめぐる論点を整理し,地理学の有効性を提示し得たという点に,本研究の意義があるものと考える。あらたな「地域文化」理解が,それをキー・タームとして活動する団体や自治体の発想への補助線となることも予想できる。
「コモンズ」をめぐる思想・理論・社会的実践に関する地理学的研究
研究課題/領域番号:26284132 2014年4月 - 2017年3月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(B)
遠城 明雄, 大城 直樹, 森 正人, 島津 俊之, 橘 セツ, 福田 珠己, 中島 弘二, 源 昌久, 水岡 不二雄, 高木 彰彦, 水内 俊雄, 堤 研二, 山崎 孝史, 今里 悟之, 山野 昌彦, 柴田 陽一
配分額:14560000円 ( 直接経費:11200000円 、 間接経費:3360000円 )
本研究は、「コモンズ(共有財・共有すること)」をめぐる諸問題を地理学的視点から検討するもので、研究者を三班に分けその成果を集約した。思想・歴史研究では、とくに19世紀以降の欧州と日本におけるコモンズ・公共空間をめぐる対立の諸相を明らかにした。理論・方法論研究では、多様化するコモンズ問題を分析するために、「物質性と表象」という枠組の有効性と限界を検討した。社会的実践研究では、基地問題、風景、社会関係資本などを主な対象に、コモンズ形成の実践と支配の緊張関係を具体的に解明した。
ローカル・センシティヴなジェンダー地理学とグローバル・ネットワークの構築
研究課題/領域番号:23242053 2011年4月 - 2016年3月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(A)
熊谷 圭知, 石塚 道子, 大城 直樹, 福田 珠己, 森本 泉, 森 正人, 寄藤 晶子, 倉光 ミナ子, 関村 オリエ
配分額:16380000円 ( 直接経費:12600000円 、 間接経費:3780000円 )
本研究では、欧米中心に展開してきたジェンダー地理学を再構築し、日本からの発信とグローバルなネットワーク構築をめざした。
具体的には、1)2013年8月の京都国際地理学会において、「ジェンダーと地理学」研究委員会と共同し、プレ会議(奈良)を開催。2)海外の主導的なフェミニスト地理学者(2012年年1月にDivya Tolia-Kelly氏、2013年3月にDoreen Massey氏)を招聘。学会での議論の場を創出した。
研究成果は、2014年,英文報告書(Building Global Networks through Local Sensitivities )に刊行し、内外に発信した。
言語と物質性からみた地理的モダニティの構築に関する地理学史的研究
研究課題/領域番号:23320184 2011年4月 - 2014年3月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(B)
島津 俊之, 大城 直樹, 米家 泰作, 森 正人, 荒又 美陽, 上杉 和央, 橘 セツ, 福田 珠己, 遠城 明雄, 高木 彰彦, 堤 研二, 中島 弘二, 水内 俊雄, 水岡 不二雄, 源 昌久, 山崎 孝史, 山神 達也
配分額:17940000円 ( 直接経費:13800000円 、 間接経費:4140000円 )
本研究は,近代地理学的な諸概念や諸言説がいかに近代的諸空間の構築に役立ってきたか,また,逆に近代的諸空間がいかに近代地理学的な諸概念や諸言説の構築に作用してきたかを解明した。具体的には,近代地理学と近代空間の双方を,「地理的モダニティ」という新しい概念のもとで統合的に理解し,それらの動態を言語と物質性の相互作用の側面から把握した。研究成果は,国内における研究集会の開催や,国際地理学連合京都国際地理学会議におけるセッションの開催を経て,和文報告書2冊と英文報告書1冊として結実した。
「地域文化」の生産・流通・消費に関する文化地理学的研究
研究課題/領域番号:22320169 2010年 - 2012年
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(B)
大城 直樹, 関戸 明子, 島津 俊之, 荒山 正彦, 遠城 明雄, 中島 弘二, 福田 珠己, 加藤 政洋, 濱田 琢司, 神田 孝治, 森 正人
配分額:18980000円 ( 直接経費:14600000円 、 間接経費:4380000円 )
本研究では,「地域文化」が,近代以降どのように生産され,流通し,消費されるかに関して,文化地理学の視角から検討を行った。ここでいう「地域文化」には,特定の地域の生活様式のみならず,当該地域がその地に住む人々や他者にどのように表象されているか,ということも含まれる。よって観光や民俗,民芸のみならず,地域博覧会や博物館,百貨店の物産展,なども研究対象となる。その結果,各種の事例研究を通して,「地域文化」なるものが立ち現わる契機とその文脈には,資本主義の発達に伴う,通信・運輸,マス・メディアや広告の展開,消費行為と言説の大衆化の関係性とが複雑に絡み合っていることを明らかにすることが出来た。
公共性とガバナンスからみた近・現代社会の空間編成に関する研究
研究課題/領域番号:21320159 2009年 - 2011年
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(B)
高木 彰彦, 山本 健兒, 遠城 明雄, 堤 研二, 山崎 孝史, 島津 俊之, 大城 直樹, 森 正人, 源 昌久, 水内 俊雄, 中島 弘二, 福田 珠己, 今里 悟之, 香川 雄一, 加藤 政洋, 杉山 和明, 神田 孝治, 山野 正彦
配分額:17420000円 ( 直接経費:13400000円 、 間接経費:4020000円 )
公共性とガバナンスに注目して、地理思想史研究、社会理論研究、経験的研究の観点から、近・現代社会の空間編成について検討を行った。その結果、地理思想史研究、先端理論研究、公共空間と公共性に関する研究においては進捗がみられたものの、ガバナンス研究においてはあまり成果がみられなかった。これらの成果の一部は『空間・社会・地理思想』13(2010)・14(2011)・15(2012)において公表した。
グローバル化における東アジア地域社会の構造変動
研究課題/領域番号:19401008 2007年 - 2010年
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(B)
佐々木 衞, 稲月 正, 首藤 明和, 過 放, 朴 鍾祐, 大城 直樹
配分額:15210000円 ( 直接経費:11700000円 、 間接経費:3510000円 )
青島を対象にインテンシブな調査と質問表調査を実施した。村が土地開発によって収益をあげて、元村民の住宅建設など様々な生活基盤の整備をしている事例があった。この地域では、「本村人間の均分主義、よそ者に対する格差」が地域社会を構成する論理となっている。都市住民は本村人でない限り、数年で移転しているなど、頻繁な移動を経験している。一般に、住民が地域の問題に積極的にかかわることはない。
地理思想及び社会思想としての「郷土」に関する研究
研究課題/領域番号:19320132 2007年 - 2009年
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(B)
大城 直樹, 竹中 均, 関戸 明子, 島津 俊之, 遠城 明雄, 中島 弘二, 荒山 正彦, 宮田 眞治, 前川 修, 福田 珠己, 加藤 政洋, 森 正人, 茶谷 直人
配分額:15730000円 ( 直接経費:12100000円 、 間接経費:3630000円 )
本研究では,「郷土」という表象が,いかにして近代の日本において受容ないしは導入され,国民の地理的想像力のなかで確固とした実在物として自明化されていったのか,さらに「郷土」表象をめぐる実践が,どのようなかたちで展開していったのか,これらの主題について検討を行った。その結果,文部省における郷土表象の近代的制度化が明らかにされ,郷土教育の実践においてどのようなカリキュラムでどのような教材が使用されていたか,また他の郷土関連のイベントや博物館等の施設の設置・普及,また民芸運動やツーリズムの展開などとどのように連関していたのか,さらには市民共同体での表象の位相など,多角的な局面から明らかにすることができた。
グローバル化時代における公共空間と場所アイデンティティの再編に関する研究
研究課題/領域番号:18320136 2006年 - 2008年
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(B)
高木 彰彦, 遠城 明雄, 荒山 正彦, 島津 俊之, 中島 弘二, 山野 正彦, 源 昌久, 山本 健兒, 熊谷 圭知, 水内 俊雄, 内田 忠賢, 堤 研二, 山崎 孝史, 大城 直樹, 福田 珠己, 今里 悟之, 加藤 政洋, 神田 孝治, 野澤 秀樹, 森 正人, 柴田 陽一, 山野 正彦, 源 昌久, 山本 健児, 熊谷 圭知, 水内 俊雄, 久武 哲也
配分額:17730000円 ( 直接経費:15000000円 、 間接経費:2730000円 )
公共空間と場所アイデンティティの再編について、地理思想史、理論的研究、経験的研究の観点から検討を行った。研究成果として、『空間・社会・地理思想』10(2006)、『空間・社会・地理思想』11(2007)、『空間・社会・地理思想』12(2008)を毎年刊行したほか、英文報告書として『Reorganization of public spaces and identity of place in the time of globalization : Japanese contribution to the history of geographical thought(10)』(2009)を刊行した。
国境を越える移動・エスニシティ・地域社会の再構築に関する比較社会学的研究
研究課題/領域番号:15252011 2003年 - 2006年
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(A)
佐々木 衛, 岩崎 信彦, 油井 清光, 藤井 勝, 白鳥 義彦, 高井 康弘, 大城 直樹, 小林 和美
配分額:45370000円 ( 直接経費:34900000円 、 間接経費:10470000円 )
1,調査研究の概要
本研究は、アジアの2つの地域を中心に、移動・移住とエスニシティの交錯、地域社会が再構築されていくダイナミズムを実証的に研究した・調査は、(1)中国・朝鮮半島を中心とした東アジア地域、(2)タイと周辺近隣地域、(3)フランスとカナダにおけるアジア系移民を対象とした。
2,研究から得られた知見の鞭
(1)東アジアの各国は、外国人労働者の導入が事後承認的に拡大している。外国人労働者が雇用される条件は、社会的な制度や構造の面で制限が大きく、また入国に際してもブローカーの手配に頼らざるを得ない場合が多い。このような労働環境が移住労働者の生活を過酷にする悪条件を生んでいる。
(2)外国人労働者はネットワークを移動先の社会に広げているのみではなく、故郷との緊密な関係を維持し続けている。中国・青島に移住した韓国人のエスニックビジネスが表すように、本国の文化へのアクセスが文化資本に転じる場合、「ホンモノ」の文化を移住先で演出することもある。
(3)移動者たちは、移住先の地域社会から隔離されたコミュニティを構成することが多い。彼らが劣悪な生活と労働の環境におかれるならば、周縁的な位置に閉じ込められている構造を他者との差異化によって地位を反転させたいという願望が強くなる。韓国における中国朝鮮族が「中国」の「朝鮮族」として韓国社会から一線を引こうとするエスニックな感情は、その典型的な姿を表現している.
(4)タイに移住したミャンマー人モーン族が定住志向を高め、またタイ東北部のベトナム移住者が集団としてのアイデンティティを希薄化させている事例も本研究は明らかにした。タイに移動した人々が過酷な条件の下にあっても必ずしも不幸の中に押しつぶされていないことも明らかにされた事実である。移動性を高めた都市は、異種混交性、雑居性、脱中心(権威)的な構造を都市の性格として内在化させおり・移動者が新しい生活チャンスを獲得する空間を出現させている事実も存在している。
中・近世における都市空間の景観復原に関する学際的アプローチ
研究課題/領域番号:15320116 2003年 - 2006年
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(B)
藤田 裕嗣, 大城 直樹, 高橋 昌明, 市澤 哲, 山村 亜希, 仁木 宏, 高橋 康夫, 黒田 龍二, 前川 要
配分額:12700000円 ( 直接経費:12700000円 )
歴史地理学は、「時の断面」における景観復原を主たる課題として一定の成果を上げてきた。その研究手法の特徴は、今日に残された地籍図を用いて近代初頭の土地割と土地利用を確認し、文献史料に見える前近代の景観との突き合わせを行うことによって、当時の景観を復原して考察する点にある。この研究手法は、とくに中世における都市空間の研究では文献史学・建築史学・考古学畑でも採用されており、隣接の諸科学に影響を与えている。しかし、本研究手法による復原結果が、考古学的発掘による成果と矛盾する場合も散見され、その有効性を再検討する必要に迫られている。
そこで、隣接科学との協同によって、地籍図を用いた景観復原という研究手法の有効性と限界を再検討する点に、本研究の最大の目的を置いた。実際に研究を進めるに当たっては、防長両国を主な事例地域として取り上げ、畿内の都市との比較も視野に入れた。さらに、近世にかけての変化にも目を向けることとした。
このうち防長については、大内氏時代から中心都市として機能した山口を検討して、次のような見通しが得られた。近世城下町として萩が選定された結果、近世における大幅な改変を免れたため、戦国期の景観が近世にも色濃く残り、近代初頭の地籍図でも確認し得ると期待される。その間の近世期について地割分析ができる史料が残存しており、貴重な事例と評価されよう。一方、畿内については、平氏政権によって一時的に遷都が企図された福原と兵庫津、など、近世までの展望が検討された。
空間・場所をめぐる諸権力の解明-沖縄を事例としたフェミニスト分析から-
研究課題/領域番号:15320118 2003年 - 2005年
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(B)
吉田 容子, 大城 直樹, 福田 珠己, 影山 穂波, 加藤 政洋, 吉田 道代
配分額:9000000円 ( 直接経費:9000000円 )
本研究の基礎にあるのは、平成12〜14年度科学研究費補助金基盤研究(B)(1)「地理空間のジェンダー分析-フェミニスト的視角をめぐって-」(研究代表者:吉田容子、課題番号12480016)である。この研究では、ジェンダー概念やフェミニストの視角を地理学研究に採用し、空間がジェンダーという要因によっても絶えず生産・再生産され、空間がいかにジェンダー化されたものかを検証した。3年間の研究成果を踏まえ、本研究ではジェンダーとともに空間の生産・再生産に関わる諸要因(すなわち、権力の諸関係)をあぶり出すことを、目的とした。沖縄を研究対象とした理由は、「本土」とは異なる歴史性を有するため、ジェンダーをはじめとする権力の諸関係が、沖縄の都市空間に投影されていると考えたからである。
吉田(容)と加藤は、戦後復興期の沖縄の都市空間につくられた歓楽街を事例に、その形成に政治的権力が関与したことを、当時の新聞記事を言説資料として分析した。神田は戦前期の沖縄観光に着目し、男性観光客が抱くジェンダー化された心象地理が那覇辻遊廓に投影され、辻が観光空間と化したことを確認した。大城はハワイでの現地調査から、移住先ハワイにおける沖縄の人々のアイデンティティ構築について、人々の「場所」へのこだわりから考察した。福田は、沖縄戦の資料を展示する博物館で、個人の戦争の記憶が、集合的な記憶や地域の記憶としていかに「展示」されているかを指摘した。吉田(道)は、本土への出稼ぎシステムを明らかにし、沖縄を本土の外部労働市場に組み込もうとする権力の存在を読み取った。
戦前期の沖縄が本土から「他者」としてのまなざしを受けていたこと、また戦後復興期には、米軍との関係の中で「支配される」側に置かれ、女性の身体が米軍の搾取の対象となったことなどにかんがみれば、沖縄の地理空間にはジェンダー以外にも、いくつかの権力が複雑に絡み合って投影されている。本研究では、その一部ではあるが、実証することができた。
地域アイデンティティの形成と民俗地理の分節化に関する研究-琉球列島を事例として-
研究課題/領域番号:14580087 2002年 - 2004年
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(C)
大城 直樹
配分額:2700000円 ( 直接経費:2700000円 )
本研究は、琉球列島を事例に、地域アイデンティティの形成と民俗地理の分節化という二つのテーマについて、はじめに、地域アイデンティティの基盤となる郷土概念の歴史的形成過程とその後の展開の諸相の両面の検討を行った。
1900年代中葉からの内務省主導による地方改良運動を概念形成の嚆矢とし、1920年代に農村部の生活様式や民俗への関心がアカデミアの内外で顕著になる中、1930年代に文部省主導の郷土教育運動が興り、郷土に関する教育が制度化されることとなった。郷土教育は身近な生活空間への愛着を謳い、それを喚起させるモジュールを装置化することを目的とし、そこから連続的にモジュールの空間尺度を拡大し、皇道に沿った国家/国土への情緒的な愛着心の涵養をも目指すものであったが、ここでは形式的な空間的範域への情動的なつながりをモジュール化し身体化する作業が反復されるその機制を明らかにした。民俗地理が分節化されるのもこの契機を介してである。
つぎにその今日的展開の一事例として、1990年代後半の「沖縄イニシアティヴ」なる保守派のマニュフェストをめぐる論争を取り上げ、地域アイデンティティが顕在化し動員されるそのコンテクストの分析を行った。その結果、それが沖縄県政のヘゲモニー争奪の政治的道具として用いられただけでなく、中央政府との関係における県民の歴史認識の修正をもくろむものでもあったことを明らかにした。
また、民俗地理の現代的様相を把握するために、現代の若者文化を民俗と捉えることで、民俗が今日直面する概念的妥当性を検討した。民俗とは、ある種空間的な範域を設定して語られてきた「物語」ということが出来るが、今日の民俗地理は年齢階梯的契機により強く影響を受けながらも、なおかつ特定の場所性を必要とすることを「ストリート」の若者化を事例に考察した。
都市のユニバーサリズム、ナショナリズム、ローカリズム-都市の本質的なりたちに関する基盤的研究-
研究課題/領域番号:13301008 2001年 - 2004年
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(A)
浅野 慎一, 岩崎 信彦, 大城 直樹, 高木 正郎, 鰺坂 学, 佐々木 衛, 河野 健男, 小松 秀雄, 山本 賢治, 奥村 弘
配分額:48750000円 ( 直接経費:37500000円 、 間接経費:11250000円 )
本研究は、グローバリゼーションの急激な進行をふまえ、都市の歴史的・構造的なりたちを、日本の近現代の都市を対象として、ユニバーサリズム・ナショナリズム・ローカリズムという3つのベクトルの交錯の中で捉えた。研究の対象地域としては、京都・大阪・神戸を中心とする関西諸都市、それらの周辺地域として三田・篠山等、さらに関西都市圏のなりたちと歴史的にきわめて密接な関係を有してきた遠隔地域として沖縄県・奄美諸島など鹿児島県、石川県等を設定した。また京阪神等の都市圏における在日韓国・朝鮮人、ベトナム難民、中国人研修生・技能実習生、ブラジル人労働者、そして中国残留日本人等も重要な対象である。
本研究は、大きく2つの柱からなる。
第1は、京阪神都市圏やそれと密接な関連を有する諸地域を幅広く対象とし、都市の歴史と現代において、ユニバーサルなもの、ナショナルなもの、ローカルなものの交錯の動態を捉えた、多角的な実証研究である。具体的には、(1)近代都市の歴史的なりたち、(2)底辺への流入・移動と都市のなりたち、(3)都市の圏域的成り立ち、(4)都市の文化的なりたち、(5)農村的後背と都市のなりたち、(6)都市の社会意識:ユニバーサリズム・ナショナリズム・ローカリズムに関する諸研究から構成される。
第2は、京阪神の諸都市と密接な関連を有しつつ、同時に独特の地域産業構造・文化的個性を備え、また「平成の大合併」とよばれる市町村合併において全国の先進事例とも目されるユニークな地方都市・篠山市に衝天を絞った、地域総合調査研究である。具体的には、(1)篠山市の社会的基本構造、(2)平成の町村合併と地域コミュニティ、(3)地方都市の文化的蓄積に関する諸研究から構成される。
地理空間のジェンダー分析-フェミニスト的視角をめぐって-
研究課題/領域番号:12480016 2000年 - 2002年
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(B)
吉田 容子, 景山 穂波, 福田 珠己, 大城 直樹, 加藤 政洋, 神谷 浩夫, 丹羽 弘一
配分額:8900000円 ( 直接経費:8900000円 )
本研究の目的は、ジェンダー概念やフェミニストの視角を地理学研究に採用することによって、地理空間がいかにジェンダー化されたものであるかを検証するとともに、そうした空間が構築されるに至ったプロセスを丹念に追いながら、社会的・文化的につくられた性差に起因するジェンダー関係のあぶり出しを行うことであった。しかしながらこの方面での日本の研究が非常に遅れていることから、研究分担者が共通の理論的枠組みを持つために、出版以来英語圏を中心に高い評価を受けた英国のフェミニスト地理学者G.Roseの著書Feminism & Geography (Polity Press,1993)をテキストとして研究会で翻訳し、あらたな知見を得た(この成果はすでに翻訳書として出版(『フェミニズムと地理学』地人書房,平成13年)。この翻訳検討に続き、ポストモダン以降のあらたな文脈の中で空間論を展開する英国の地理学者D.Masseyのいくつかの論文について、特に加藤を中心に研究協力者(杉山,原口)の参加も得ながら翻訳研究会を行った(この成果も近く翻訳書として出版予定)。フェミニスト的視角を用いた研究は、日本の地理学においていまだ萌芽的な段階にある。本研究では、海外へ向けての情報発信を積極的に行うことによって海外研究者と交流する機会を持ち、わが国のフェミニスト地理学を次の段階へと発展させる素地づくりもめざしていた。この点については毎年度、研究分担者が海外の学会で研究発表を行い、フルペーパーも完成させていることからも、ある程度の目標が達成されたと思う。特に平成14年度は、3rd International Critical Geography Conference(ハンガリーベーケシュチャバ市)で、本科研費より研究協力者(山田)を含めて4名が口頭発表を行った。
景観・場所がアイデンティティの再生産に果たす役割-琉球列島の門中化を中心に-
研究課題/領域番号:09780116 1997年 - 1998年
日本学術振興会 科学研究費助成事業 奨励研究(A)
大城 直樹
配分額:2000000円 ( 直接経費:2000000円 )
昨年度からフィールドワークをともなう墓制・葬制に関する実態調査を進めてきたが、本年度は近代以降琉球列島において顕著なアイデンティティの構成要素となった門中制およびその紐帯の発現の場である墓地の関係を検討することに主眼を置いた。昨年度の資料調査から明らかになったいくつかの風水関連絵図の中から、昨年度から調査を行っている沖縄本島久志の「佳城絵図分金」、沖縄本島から相対的に距離を置いた久米島、上江洲家に伝わる「美里川墓之図」や「上江洲仁屋墓図」といった墓地風水絵図について、現地比定と文字テクストならびに絵図構成の分析をあわせて行い、それらの比較検討を行った。
これにより、近世末から旧慣温存期の沖縄における地方士族の墓地表象の一端が明らかになった。絵図には、現地を検分しそこで得られた情報や風水のテクストを介した判断を絵図上に描かれている。風水師の署名もあるので、誰がいつそれを作成したかも明らかになるが、絵図中のさまざまなランドマークに対する判断テクストが存在することによって、墓地付近の景観や場所を風水師がいかに解読して行ったかを理解することが可能である。また、坐向図という墓地風水絵図のジャンルのあることも明らかになった。これは墓の中心を基点にその前方(向)の方位と後背の方位(坐)とを結んだ直線を絵図の中心軸として設定し、さらに、前面と後背に広がる景観(地形・植生)をともに描写的に描いている点で特徴的である。
いかに吉地に墓所を敷設するかは、門中をめぐる一族の権威と継続性にとって、一種のオブセッションとなっていった。彼/彼女がその場所や景観をどう表象していたのか、そのことをわれわれはこれらの絵図から垣間見ることができるのである。
琉球・沖縄に関する立地図料の集成
研究課題/領域番号:09202101 1997年
日本学術振興会 科学研究費助成事業 重点領域研究
長谷川 孝治, 金田 章裕, 大城 直樹
配分額:2000000円 ( 直接経費:2000000円 )
すでに平成7年度および8年度において、沖縄県立図書館・博物館、琉球大学・宜野湾市教育委員会、今帰仁村歴史文化センター、名護市史編纂室をはじめ、鹿児島県立図書館、京都大学博物館など各地の所蔵機関で琉球・沖縄を含む絵図・地図類の現地調査を推進した。この実績を踏まえ、平成9年度には上記以外の調査対象所蔵機関に範囲を拡大すると同時に、国内最大の古地図コレクションを有する神戸市立博物館で研究協力者の協力をえて、集中的な調査を実施した。各機関では古地図を熟覧すると同時に、地図の全体あるいは細部の写真撮影を行い、記載されている地名や文字注記などの確実な地図情報を地図目録カードに整理した。これらの情報を最大限に利用してデータ・ベースに集大成すると同時に、研究成果報告書『琉球・沖縄古地図資料集成』を公刊すべく作業を推進している。なお、こうした研究計画を進めるため、得られた古地図情報を実際にパソコンにインプットするための研究打合せ会を開催し、問題点を摘出しながらより完全なデータ・ベースの完成を目指している。
都市形成と自然基盤からみた阪神大震災における被災・復興に関する研究
研究課題/領域番号:08458025 1996年 - 1998年
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(B)
高橋 眞一, 大城 直樹, 澤 宗則, 山崎 健, 長谷川 孝治, 田中 眞吾
配分額:8000000円 ( 直接経費:8000000円 )
3年間における震災研究において、研究における主眼は、阪神大震災の被害と復興に関する自然的基盤と社会経済基盤の関連をふまえた分析、それとの関連で、神戸を中心とした都市形成をふまえて、実態調査と地図の利用によるインテンシブな分析であった。報告書は、これらの研究の一部をまとめたもので、その結果は以下の通りである。
1. 被災については、詳細な地形分類図を作成し、それと実態調査をもとに、扇状地の新旧、都市形成と住宅崩壊の関係を明らかにした。人的被害では、自然基盤、震災犠牲者の分布と住宅特性、都市化過程の相互関連性の分析を行うとともに、神戸市震災後の人口動態・人口移動の推計を試みた。さらに、被災者の居住地移動に関する追跡調査を実施し、これらの結果をふまえて、社会的階層と居住地移動の関連が明確であることを分析した。
2. 復興分析では、神戸都心部オフィスの立地変動および都心再生に関する実態調査を行い、震災後のオフィスの都心回帰の傾向とその要因を分析した。また、神戸市のインナーシティ地域の内部構造、土地利用、及び戦災経験の差異が震災後の復興プロセスに影響を持ったことを明らかにした。さらに、ほとんど分析の行われなかった淡路島の中心集落について実態調査を行い、神戸市とは異なった復興過程の特質を明らかにした。
3. 地図を利用した分析では、歴史地図や都市形成史に関する資料収集を行い、近世以降震災時に至る土地利用の変化と被災の関係を明らかにした。また、震災後の新聞報道による地図利用のデータベースを作成し、その意義と限界を明らかにした。
今後の課題は、さらに実態調査、地図や統計資料、震災資料の利用によって、局地的な分析から神戸市のみならず阪神・淡路の震災地域全体について、自然、社会・経済両側面および都市形成を考慮に入れた知見を得るべく分析を進めていくことである。
久米島における東アジア諸文化の媒介事象に関する総合研究
研究課題/領域番号:08309006 1996年 - 1998年
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(A)
横山 俊夫, 山里 純一, 上江洲 均, 三浦 國雄, 都築 晶子, 伊従 勉, 高津 孝, 小川 陽一, 大城 直樹
配分額:41200000円 ( 直接経費:41200000円 )
久米島の文化が沖縄、琉球王国の世界の中で占める位置を明らかにするため、新たに公開された4家の家文書(上江洲家、吉濱家、與世永家、宮城家)約2000点の解読分析と、祭祀を中心とするフィールド調査とをふたつの柱として研究活動を展開した。中国や日本の類書研究家をも交えた研究組織をあげて重視したのは、久米島の知識人が、自島の文化と中国、日本、首里・那覇・久米村の諸文化とを媒介する局面であった。
得られた成果はつぎの2点である。1.久米島の識者男性が担った東アジアの多様な文化の重層は、術数を核にしていたことを解明。2.その術数に支えられた家の主が中心となる祖先神や火神の祭祀では、縁者である神女集団もかかわりを持ち、その媒介力が島の生活文化の基層に新たな力を与えるしくみになっていたことを解明。
1. における学術的寄与はとくに次の事柄が初めて明らかにされたことである。(1)日選びにおける玉匣記(中国)と大雑書(日本)の知識の共存の態様、(2)中国東南部とはまったく同一とは言えない風水法の実際、(3)地方役人層における中日琉の医書の体系的収集。
2. における重要な寄与は次の諸点の具体的な解明である。(1)地方役人家を中心とする易占と祈願の実態、(2)地方役人層と神女との精神世界における協同、(3)建築空間にみられる中日琉諸文化の共存。
なお、これまで城跡表層で採集されたままであった陶磁器片の精査もおこない、13-14世紀の久米島各地の城が、東アジアの交流拠点として沖縄本島におとらず重きをなしていたことを明らかにした。
以上の成果は、文書研究とフィールド調査の合体がようやく始まりだした沖縄文化研究を一段と豊かにするとともに、東アジア文化交流の創造性の解明という大きな課題への、ひとつの里程を築いたと言える。
琉球・沖縄に関する古地図資料の集成
研究課題/領域番号:08205101 1996年
日本学術振興会 科学研究費助成事業 重点領域研究
長谷川 孝治, 町田 宗博, 平岡 昭利, 金田 章裕, 大城 直樹
配分額:2100000円 ( 直接経費:2100000円 )
本年度は昨年度の成果を継承しながら、所蔵機関ごとに分担して,近世以降を中心とする(1)ヨーロッパ系および東アジア系の世界図、日本図、中国図などのマクロ・スケール図、(2)琉球図、南西諸島航海図などのメソ・スケール図、(3)風水図、地籍図などのミクロ・スケール図、の3カテゴリーの古地図の熟覧調査とカード化、ならびにスライド撮影を可能なかぎり行なった。具体的な機関は、京都大学文学部博物館(金山担当)、鹿児島県立図書館・福岡市博物館(平岡担当)、沖縄県立博物館・図書館(町田・大城担当)、神戸市立博物館・平良市総合博物館(長谷川担当)などである。とくに平良市総合博物館では、従来報告されていなかった明治30年代の1/1,200地籍図(153点)を悉皆調査し、スライドに納めた。
これらの成果は目録カードで整理のうえ、データベース化を推進しつつある。また平成8年11月には神戸市立博物館において班研究会を開催し、貴重な琉球関連古地図を熟覧して討議を重ね、さらに12月には全体会議において「古地図に描かれた琉球」と題してスライドを多用した報告(長谷川)を行なった。
今後は、未調査の全国の主要古地図所蔵機関、とりわけ沖縄県の市町村レヴェルでの調査を継続し、より完全な古地図データベース化を目指すことにしたい。
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