2026/03/07 更新

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ササキ ナツキ
佐々木 夏来
SASAKI NATSUKI
所属
学部 文学部 専任講師
職名
専任講師
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学位

  • 博士(環境学) ( 東京大学 )

  • 修士(環境学) ( 東京大学 )

研究分野

  • 自然科学一般 / 地球人間圏科学

学歴

  • 東京大学大学院   新領域創成科学研究科   自然環境学専攻 博士後期課程

    2014年4月 - 2018年3月

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  • 東京大学大学院   新領域創成科学研究科   自然環境学専攻 修士課程

    2012年4月 - 2014年3月

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  • 東京学芸大学   教育学部   環境総合科学課程 環境教育専攻

    2007年4月 - 2012年3月

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経歴

  • 明治大学   文学部   専任講師

    2023年4月 - 現在

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  • 中央大学理工学部助教

    2021年4月 - 2023年3月

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  • 独立行政法人日本学術振興会 (筑波大学)   特別研究員(PD)

    2020年4月 - 2021年3月

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  • 東京大学大学院   新領域創成科学研究科自然環境学専攻   助教

    2018年4月 - 2020年3月

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所属学協会

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論文

  • 多雪山地における湿原の成立環境と 気候変化への応答性 ―地形場と土壌水分特性に着目して― 査読

    佐々木夏来

    駿台史学   179   95 - 121   2023年9月

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    担当区分:筆頭著者, 責任著者   記述言語:日本語   掲載種別:研究論文(大学,研究機関等紀要)  

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  • Mountain Wetland Distributions Controlled by Landforms and Snow Depth at Quaternary Volcanoes in Northeastern Japan: Assessing the Vulnerability of Wetlands to Reduced Snowfall 査読

    Natsuki Sasaki, Toshihiko Sugai

    Wetlands   2022年12月

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    担当区分:筆頭著者   掲載種別:研究論文(学術雑誌)  

    DOI: 10.1007/s13157-022-01633-8

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  • Geomorphological analysis of wetland distribution on various spatial scales 査読

    Sasaki, N, Sugai, T

    Proceedings of the International Cartographic Association   2 ( 112 )   1 - 5   2019年7月

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    担当区分:筆頭著者   記述言語:英語   掲載種別:研究論文(国際会議プロシーディングス)  

    DOI: 10.5194/ica-proc-2-112-2019

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  • 船形山の大規模地すべり地の発達と湿地形成 査読

    佐々木夏来, 須貝俊彦

    地形   39 ( 1 )   67 - 82   2018年

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    記述言語:日本語   掲載種別:研究論文(学術雑誌)   出版者・発行元:日本地形学連合  

    CiNii Research

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  • Holocene development of mountain wetlands within and outside of landslide in the Hachimantai volcanic group, northeastern Japan 査読

    Sasaki, N, Sugai, T

    Quaternary International   471   345 - 358   2018年

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    記述言語:英語   掲載種別:研究論文(学術雑誌)  

    DOI: 10.1016/j.quaint.2017.09.045

    Web of Science

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  • Distribution and Development Processes of Wetlands on Landslides in the Hachimantai Volcanic Group, NE Japan 査読

    Sasaki, N, Sugai, T

    Geographical review of Japan series B   87 ( 2 )   103 - 114   2015年3月

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    記述言語:英語   掲載種別:研究論文(学術雑誌)   出版者・発行元:The Association of Japanese Geographers  

    This study examines geomorphological controls on the distribution and development of wetlands in the Hachimantai Volcanic Group, northeastern Japan. The study area is dissected by various sizes of landslides and has many wetlands of varied origin. Among 526 wetlands in the study area, 195 are on landslides and account for 63.9% of the total area of wetlands. Wetlands outside of landslides tend to be found in clusters on undissected volcanic surfaces. Many of these are small wetlands in nivation hollows that are supplied by meteoric water from snow, and some of them are ponds in the craters of Hachimantai volcano and large peat bogs on lava flows. Wetlands inside landslides are widely scattered in large or deep depressions along landslide scarps and in small depressions among pressure ridges. Many of these are ponds supplied mainly by groundwater. Large landslides tend to have ponds. On the larger landslides, depressions created by landslide processes provide favorable conditions for the development of wetlands, and their size is constrained by the microtopography of the landslide surface. When drainage channels that dissect landslide bodies breach these closed depressions, the wetlands there progress rapidly from ponds to peat bogs. Landslide activities can create wetlands of various ages, and the dissection of landslide bodies controls the developmental stages of these wetlands. Therefore, a large landslide may contain coexisting wetlands of various ages and types.

    DOI: 10.4157/geogrevjapanb.87.103

    CiNii Research

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MISC

  • 仙岩火山地域の山岳湿地における土壌水分特性の季節変動

    佐々木 夏来, 須貝 俊彦

    日本地理学会発表要旨集   2020 ( 0 )   343 - 343   2020年

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    記述言語:日本語   出版者・発行元:公益社団法人 日本地理学会  

    <p>仙岩火山地域には,緩傾斜な火山原面上や地すべり地に湿地が多数分布している.火山原面上の湿地は,噴火口のほかに,南北に延びる稜線の東側にできた雪の吹き溜まりや,稜線沿いの鞍部などの斜面から涵養水が供給されるような平坦地に形成されている.このことは,湿地の立地によって涵養源が異なることを示唆し,湿地の湿潤状態の季節変動にも影響していると考えられる.本研究では,火山原面上の雪の吹き溜まりに形成された湿地(雪田型湿地),稜線沿いの平坦な鞍部に形成された湿地(平坦地型湿地).巨大地すべり地内に形成された湿地(地すべり性湿地)を対象として,湿地の土壌水分特性の季節変化とその要因を明らかにすることを目的とした.それぞれの湿地の深さ5 cmの位置に,METER社製5TEセンサーを埋設して,地温,土壌水分,電気伝導度を1時間毎に観測し,積雪および融雪状況をPlanetscope衛星の3 m解像度の衛星画像で確認した.観測の結果,地すべり性および平坦地型湿地では,5月中旬から6月上旬頃の融雪時期に土壌水分は急上昇して1週間程度高値が続いたのち,降雨量に応答して大きく変動した.また,電気伝導度は,積雪時期に少しずつ上昇を続けた後,融雪期に急低下する特徴が共通して認められた.一方,雪田型湿地では,観測地点で地温が上昇し始めた5月下旬以降も7月下旬まで土壌水分の高い状態が継続し,積雪期から融雪期にかけての電気伝導度の変化は小さかった.雪田型湿地において融雪後の長期にわたって土壌水分値が高かったのは,5月下旬に地温が上昇し始めて観測地点では積雪から解放されたものの,周辺斜面には7月上旬まで積雪が残り,そこからの水の供給が梅雨前線による多雨期まで継続したためと考えられる.湿地の土壌水分特性が積雪量と融雪時期に大きく影響を受けていることから,さらに長期的観測が必要である.</p>

    DOI: 10.14866/ajg.2020s.0_343

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  • 地すべりが創り出す山岳地域の湿地景観

    佐々木夏来, 須貝俊彦, 高橋尚志

    日本地球惑星科学連合大会予稿集(Web)   2020   2020年

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  • 2018年7月豪雨による斜面災害発生場の地形学的検討(速報)

    須貝俊彦, 佐々木夏来, 高橋尚志, 村木昌弘, 木森大我, 舟津太郎

    地形   40 ( 2 )   2019年

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  • SfM写真測量と積雪観測から検討した安比高原における湿地の成立環境

    佐々木 夏来, 須貝 俊彦, 内山 庄一郎, クンガア メルゲン

    日本地理学会発表要旨集   2018 ( 0 )   90 - 90   2018年

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    記述言語:日本語   出版者・発行元:公益社団法人 日本地理学会  

    奥羽山脈の第四紀火山地域では,火山原面上と地すべり地に主に湿地が分布し,火山原面上では高標高域の積雪深の大きい場所のほか,積雪深が小さいにも関わらず溶岩台地末端部の平坦地にも湿地が立地する場合がある.これらは積雪もしくは地下水といった涵養源の違いを示唆し,火山原面上の湿地であっても,気候変動に対する応答性が異なると推測されるが,湿地の成立環境について詳細は未解明である.本研究では,八幡平火山群の安比高原奥の牧場に分布する湿地群を対象として,データロガーおよび定点カメラで積雪観測をするとともに,UAVで撮影した空中写真から作成したDSMおよびオルソモザイク写真を判読して,少雪な火山原面上において湿地が成立しやすい地形環境を明らかにすることを目的とする.観測の結果,2015年は11月25日から積雪開始し,湿原内では2016年5月8日に融雪を完了した.オルソモザイク画像から湿地を判読した結果,調査対象範囲内に136の湿地を認定した.湿地は岩畑山南側の浅く緩やかな溝状凹地形内に帯状に分布し.斜面上部を河川が流れる西側で湿地面積が小さい傾向が認められた.個々の湿地は小規模凹地内に形成され,明瞭な水路ではないが網状の地下水ネットワークで湿地同士が接続されているような様子が観察された.多数の雪田が分布する八幡平稜線沿いで融雪時期が6月以降であることと比較すると,安比高原の融雪時期は早い.また,黒滝では火砕流堆積物を被覆する溶岩層が不透水層となって滝が流下する様子を観察した.したがって,奥の牧場では,周辺斜面からの浅層地下水が滞留し,凹地部分で地下水位が相対的に高くなるために湿地群が形成されていると考えられる.

    DOI: 10.14866/ajg.2018a.0_90

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  • 奥羽山脈における湿地分布と火山・地すべり地形および積雪深との関係

    佐々木 夏来, 須貝 俊彦

    日本地理学会発表要旨集   2018 ( 0 )   331 - 331   2018年

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    記述言語:日本語   出版者・発行元:公益社団法人 日本地理学会  

    本研究では,奥羽山脈の第四紀火山地域のうち,多様な成因の湿地が存在する仙岩火山地域,栗駒火山地域,船形火山地域を対象に,空中写真による湿地の認定と地形分類をおこない,ArcGISで湿地分布および地形分類図,積雪深分布を重ね合わせて,湿地分布と火山および地すべり地形,積雪深との関係を明らかにした.湿地は,火山原面上と地すべり地内に集中し,栗駒火山地域では地すべり地内の湿地密度が特に高く,船形山では火山原面上の湿地密度が特に低い傾向が認められた.火山原面上の湿地は,仙岩火山地域の南北稜線沿いや栗駒山火山地域の高標高域で多く分布し,積雪分布とよく対応する.また,溶岩流末端部や山麓の平坦地では,積雪深が小さいにも関わらず湿地が分布し,周辺斜面からの流入水が主な涵養源となっていると考えられる.地すべり地内では,積雪深に関係なく,規模の大きな地すべり地を中心に湿地が分布する.なお,栗駒火山では山体崩壊に伴う多数の流れ山が地すべり地に分布し,局所的な凹地を多数形成していることが,湿地の個数密度を高める要因の一つであると考えられる.

    DOI: 10.14866/ajg.2018s.0_000331

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  • 平成29年7月九州北部豪雨における土砂移動プロセスの特徴と地形発達史的考察(速報)

    宝蔵蓮也, 須貝俊彦, 高橋尚志, 佐々木夏来, 泉田温人

    地形   39 ( 2 )   2018年

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  • 船形山の大規模地すべり地における土塊の発達と湿地の形成

    佐々木 夏来, 須貝 俊彦

    日本地理学会発表要旨集   2017 ( 0 )   100255 - 100255   2017年

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    記述言語:日本語   出版者・発行元:公益社団法人 日本地理学会  

    &nbsp;山岳湿地は,希少種の生育場所として生態学的に重要な場所であるとされている.日本のような中緯度湿潤変動帯においては,山岳湿地の重要な成因の一つとして,地すべりが挙げられる.特に奥羽山脈の第四紀火山は,大規模地すべりによる山地の解体が進み,地すべり地には多数の湿地が形成されている.地すべり地形は,初生的な地すべり活動後も,断続的な滑動,副次的な地すべり,河川侵食などによって変化しており,地形変化は湿地発達にも大きく影響していると考えられる.しかし,発達史地形学的な視点に立った湿地研究はほとんど進んでいないのが現状である.<br> 本研究では,船形山のすげ沼地すべり地を対象として,地すべり地形の発達が湿地に及ぼす影響について検討する.地すべりの微地形と湿地分布のを判読には,1976年に国土地理院が撮影したカラー空中写真および,落葉期の衛星画像を用いた.また,地すべり土塊の移動方向に列状に分布する小規模湿地の掘削調査を実施し,地すべり土塊の地形発達と湿地の特徴について検討した.<br> すげ沼地すべり地は船形山の北麓に位置し,西部は船形山溶岩流を,東部は段丘面を侵食している.初期の地すべり活動は34,500 yBP以前であり,1万年前以降にも地すべり活動があったことが報告されている.特に土塊の東部では滑落崖が南西-北東方向に直線的に延び,滑落崖に平行で比高の大きい分離崖や線状凹地が多数見られることから,地すべり形態は並進すべりであると判断できる.湿地は,地すべり土塊全体に広く分布し,規模の大きい湿地は滑落崖付近のブロック間の低地に形成されている.<br> すげ沼地すべり地東部の田谷地沼周辺では,土塊を開析する小河川の谷底に向けて,副次的な小規模地すべりが複数認められる.田谷地沼上流部の田谷地湿原は,小規模地すべりによる堰き止めで1600 yBP頃に形成されたことが報告されている.今回掘削した4湿地のうち,Fu-Dはこの小規模地すべり地の滑落崖下に形成されたものである.一方,Fu-A, B, Cは主滑落崖に平行する凹地内にあり,すげ沼地すべり地東部の地すべり土塊本体の運動に伴って形成された微地形が影響していると考えられる.堆積物の特徴もFu-Dと他の3つでは違いが見られた.Fu-Dは崩壊堆積部上に泥炭が堆積し,泥炭は植物遺骸の形態が残り多量の水分を含んでいた.一方で,他の湿地の泥炭層は分解がよく,硬く締まっていた. 安定した地形場・気候下に形成された湿地は,排水および埋積によって森林への遷移が予想される.しかし,大規模地すべり地においては,初生すべり後の副次的なすべりや、土塊の解体に伴って新たに湿地が形成されることによって,多様な生態系が長期にわたって維持されると考えられる.&nbsp; <br>

    DOI: 10.14866/ajg.2017s.0_100255

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  • 八幡平における湿地の分布特性と形成環境

    佐々木 夏来, 須貝 俊彦

    日本地理学会発表要旨集   2016 ( 0 )   100043 - 100043   2016年

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    出版者・発行元:公益社団法人 日本地理学会  

    1.はじめに<br>&nbsp;湿潤変動帯に属する日本においては,山岳地域にも広く湿地が分布している.山岳湿地の形成要因については,これまで第四紀の気候変動と関連づけて論じられることが多かった.地形条件としては,古くから氷河地形や火山地形が着目され,近年では地すべり地形が山岳湿地の形成に非常に重要な役割を果たしていることが指摘されるようになってきた(Takaoka 2015; Sasaki and Sugai 2015).また,大丸・安田(2009)は,湿原を「地下水涵養型」と「雪田草原型」に類別し,雪田草原型湿原が気候変動に伴う降雪量減少の影響を受けるであろうことを指摘するとともに,地下水涵養型湿原が温暖化の影響を受けにくいだろうと予想している.つまり,湿地の成立条件と遷移過程を明らかにするには,気候変動のみならず,水文環境,地形条件を考慮した総合的な理解が必要である.<br>&nbsp;本研究では,様々な成因の湿地が混在する八幡平火山群を研究対象地として,湿地の分布と特徴を地形と水文環境の観点から検討する.「湿地」は水分が豊富な様々な地表状態を指す言葉である.本研究では,湿地の中でも特に,湿性の草原を指す場合には「湿原」を用いる.<br><br>&nbsp;2.研究方法<br>&nbsp; 国土地理院が1976年に撮影したカラー空中写真を用いて,八幡平火山群内の面積100 m<sup>2</sup>以上の湿地を対象に判読し,湿地を「池沼」・「湿原(湿性草原)」・「湿原を伴う池沼」の3つのタイプに分類した.地形については,空中写真および数値標高モデル(10 m-DEM)を用いて火山原面,地すべり地形,開析斜面,谷底平野に地形面区分するとともに,ArcGISを用いて,10m-DEMから逆距離加重法により100mメッシュの標高ラスタを発生させ,斜面方位角,斜面傾斜角を計算した.尚,対象地域内の湿地の90.2 %が面積10000 m<sup>2</sup>以下である.<br><br>3.八幡平火山群の地形と湿地<br> 八幡平火山群は,複数の第四紀成層火山で構成され,奥羽山脈の一部をなす.域内最高峰の八幡平火山(1614 m)から南へ標高1400 m程度の稜線が続き,北部では東西方向に火山が連なる.火山体は多様なサイズの地すべりによって侵食が進んでいる.八幡平火山群内の526の湿地のうち,火山原面上に存在するものは262,地すべり地(土塊)に存在するものは185であった.火山原面上に存在する湿地は,主に,奥羽山脈の主稜線沿いの雪田や八幡平火山山頂付近の火口湖である.<br> Fig.1に火山原面および地すべり土塊上の湿地の標高別分布を示す.標高によって地形面の面積が大きく異なるので,各標高帯ごとに湿地数を地形面面積で除して正規化した.火山原面上の湿地は,高標高域に極度に集中しているのに対して,地すべり土塊上の湿地は,低標高域にも見られる.火山原面上では,雪の吹き溜まりとなりうる稜線沿いの鞍部や,多数の噴火口が存在する八幡平火山山頂付近に湿地が集中していることが反映されている.地すべり地内では土塊表面の凹地形内に湿地が形成され,気候だけでなく微地形の影響を大きく受けているため,低標高域にも湿地が分布すると言える. Fig.2は湿地の斜面方位別頻度分布を示す.Fig.1と同様に各斜面方位の地形面面積で正規化した.地すべり地内の湿地は湿地群(黒谷地湿原)の存在を受けて西向き斜面で例外的に多くなっている点を除けば,特定の向きに集中する傾向は見られない.一方,火山原面上では南から西向き斜面上に湿地が多く分布している.一般的には,冬季に北西季節風の卓越する山地においては,風背側となる東向き斜面の積雪が多くなり,雪田草原が形成されると考えられている.しかし,八幡平の場合は,火山原面の斜面傾斜角が平均で9.4&deg;と非常に緩やかで,稜線沿いも森林限界には達していないことから,オオシラビソの疎林が堆雪効果を発揮して,西向き斜面でも鞍部では湿地形成に十分な積雪が得られると推測できる.<br><br><u>引用文献<br></u>&nbsp;大丸裕武・安田正次 (2009) 地球環境 14: 175-182.; Sasaki, N. and Sugai, T. (2015) <i>Geographical review of Japan series B </i>87: 103-114.; Takaoka, S. (2015)<i> Limnology</i> 16: 103-112.

    DOI: 10.14866/ajg.2016s.0_100043

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  • 八幡平火山群の大規模地すべり地における湿地の分布と発達過程

    佐々木 夏来, 須貝 俊彦

    日本地理学会発表要旨集   2014 ( 0 )   100336 - 100336   2014年

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    出版者・発行元:公益社団法人 日本地理学会  

    1.はじめに 日本の山岳地域には,広く湿地が分布しており,景観の美しさや生物相の特異性から保護・保全の対象となることが多い.湿地の環境応答性や発達過程などを知るには,周囲の気候・水文環境だけでなく地形を含んだ総合的な理解が必要であり,環境保全の立場からも地形学的な湿地の理解が求められている.日本のような湿潤変動帯では地すべりが山地解体の主要な要素となっている.近年では,地すべり地が創り出す景観および生物の多様性にも注目が集まっている(e.g. Geertsema.2007).地すべり地の景観を特徴づける代表的な要素の一つとして湿地が挙げられる. 本研究では,様々な成因の湿地が混在し,多様な規模の地すべりによって山地が解体されつつある八幡平火山群を研究対象地として,地すべり地内の湿地の特徴と発達過程を明らかにすることを目的とする.「湿地」は水分が豊富な様々な地表状態を指す言葉である.本研究では,湿地の中でも特に,湿性の草原を指す場合には「湿原」を用いる. &nbsp; 2.研究方法 リモートセンシング画像および数値標高モデル(DEM)を用いて,八幡平火山群内の湿地すべてを対象に分布および湿地の特徴(面積,湿地タイプ)を調査し,地形との関係を明らかにした.さらに,代表的な大規模地すべり地の微地形分類をおこない,地すべり土塊の発達と湿地発達についても検討した. &nbsp; 3.八幡平における湿地の分布と特徴 八幡平火山群内の599の湿地のうち,地すべり地(土塊+滑落崖)に存在するものは185(個数割合33.2%)で,全湿地面積に対する割合は63.7 %であった.地すべり地外の湿地は,主に,奥羽山脈の主稜線沿いの火山原面に集中して立地する雪田であった.一方で,地すべり地内の湿地は地すべり地内全体に分布し,地すべり地の上部では滑落崖の下方に滑落崖と平行な大規模な凹地が,下部の堆積域では小規模な凹地が豊富な湧水で涵養されて池沼が形成される傾向にあった. &nbsp; 4.大規模地すべり地内の湿地の多様性 <br> <br> <br> 代表的な3つの大規模地すべり地「菰ノ森地すべり地」「八幡沼南地すべり地」「茶臼岳南地すべり地」に立地する湿地の分布と特徴を検討した.すべての地すべりの微地形構成はYagi(1996)の複合型で特徴付けられる.土塊の分化が進むほど湿地は小規模となる傾向があり,副次的な地すべり土塊にも湿地は形成されている.また,土塊の開析が進み,閉塞凹地に排水路が形成されると,池沼から湿原へと発達段階が前進すると推測できる.地すべり活動による地形改変は様々な形成年代の湿地を生み出し,その後の土塊の侵食で多様な発達段階の湿地が地すべり地内には共存していると予測できる. &nbsp; <u>引用文献</u> Geertsema <i>et al</i>. (2007) : Geomorphology 89, 55-69. Yagi, R. (1996): The science reports of the Tohoku University. 7th series, Geography 46, 49-89.&nbsp; <br>

    DOI: 10.14866/ajg.2014s.0_100336

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  • 八幡平火山大谷地湿原の形成過程と地すべり活動の関係

    佐々木 夏来, 須貝 俊彦

    日本地理学会発表要旨集   2013 ( 0 )   239 - 239   2013年

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    出版者・発行元:公益社団法人 日本地理学会  

    1.はじめに<BR> 地すべりに代表される大規模な地表変動は,景観の多様性,生物多様性をもたらす.地すべり景観の要素の一つに,湿地が挙げられる.地すべり地内の湿地は,地すべり土塊の断続的な運動によって出現・発達・消滅し,土塊の運動が停止していても,その周辺の地形場が不安定なために土砂の流入等により絶えず変化すると考えられる.高岡ら(2012)は,北アルプスにおける高山湖沼の多くが地すべりの活動の影響を受けて形成されていることを指摘している.北アルプスに限らず,山岳地域の湿地の形成には,地すべりが重要な役割を果たしていることが考えられ,その実態の解明のためには,山地湿原の多く存在する地域での事例の蓄積が必要といえよう.本発表では,八幡平火山の北西に位置する地すべり地内にある大谷地の形成過程について,ボーリング調査の結果から検討する.<BR><BR>2.八幡平地域の地すべり地の特徴と湿地<BR> 奥羽山脈北部に位置する八幡平火山は,4月でも約3 mの積雪が残る多雪地である(大丸ほか,2000).八幡平地域には多くの湿地が存在し,その成因として地すべり土塊内の凹地,噴火口,雪食凹地などが挙げられる.八幡平火山は,安山岩質の成層火山であるが,数十万年前に噴出物を伴う噴火を終え地すべりによる火山体の解体が進んでいる。個々の地すべり地形は,大規模で土塊の分化が進んだ複雑な形状ものから比較的規模の小さな単純なものまで多様で,湿地を伴うものが多い.<BR> <BR>3.大谷地湿原の堆積物<BR> 大谷地は標高1076 mに位置し,副次的な滑落崖の下部に形成された,幅約140 m,長さ約380 m,面積約0.04 km<SUP>2</SUP>の楕円形の湿原である.大谷地の中央付近にて,深さ5.0 mのボーリング調査を実施した.<BR> 大谷地の深度5.0 mまでの堆積物は4つのユニットに区分することができる. <BR>Unit 1 (0~1.7 m):黒色の泥炭層.未分解の腐植物が多く,場所によって植物遺骸の大きさが異なる.4枚のテフラが挟在している.深さ約61 cmに挟在する細粒軽石層は,守田(1996)で十和田火山起源の大湯浮石とされたものと同一である可能性が高い.<BR>Unit 2 (1.7~2.2 m):暗灰色の粘土・シルト層.斑点状に有機物を含むほか,中間に有機物を多く含む層を挟む.<BR>Unit 3 (2.2~4.9 m):淘汰の悪い緑灰色の砂礫層で,細粒物質から最大3.5 cmの礫を含む.礫は灰白色や褐色の軽石質なものが多く,円摩されている.砂層のなかに礫層を数枚挟む.<BR>Unit 4 (4.9~5.0 m):黒色~黒褐色の有機質粘土・シルト層.分解の進んだ細粒な有機物を多く含む.深度5.0 mの位置に,直径約5 cmの木片を含む.<BR><BR>4.大谷地湿原の形成過程と地すべり活動<BR>得られたボーリング調査結果から,大谷地の形成過程を検討した.Unit 4は有機物に富み,5 cm程度の木片が埋積していたことから,この時期には付近に森林が成立していた可能性がある.その後,大きな攪乱があり,周辺の斜面からの土砂運搬があり,砂礫主体のUnit 3が堆積したと解釈できる.八幡平火山は約7300年前と約1万年前に比較的大きな水蒸気爆発を起こしており(和知ほか,2002),この噴火が誘因となって地すべりのような大きな攪乱が起きた可能性もある.ただし,この推定は今後得られる植物片の14C年代測定結果との整合性を検討しなければならない.Unit 2には細粒物質が堆積していることからこの時期には,周辺の斜面が安定し,そこに沼が形成され,その後,湿原となってUnit 1のように泥炭が堆積したと考えられる.守田(1983)の大谷地における花粉分析の結果では,Unit 2に相当する時期にダケカンバの花粉が急激に増加し,その後,Unit 1に相当する時期になるとブナの花粉の割合が徐々に回復する傾向が見られている.したがって,周辺の斜面の安定化に伴って周囲の森林が形成されていったと推測できる. <BR><BR>引用文献<BR>大丸裕武ほか(2000) :雪氷 62,463-471.<BR>高岡貞夫ほか(2012):地学雑誌121,402-410.<BR>守田益宗 (1983) 東北地方における亜高山帯の植生史に関する花粉分析的研究.東北大学博士論文.<BR>守田益宗(1996):岩手県編「南八幡平地域資源調査事業」,15-25.<BR>和知剛ほか(2002) :地球惑星科学関連学会合同大会予稿集,V032-P005.

    DOI: 10.14866/ajg.2013s.0_239

    CiNii Research

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共同研究・競争的資金等の研究課題

  • 山岳湿地の涵養特性と気候応答性に関する研究

    研究課題/領域番号:22K13247  2022年4月 - 2027年3月

    日本学術振興会  科学研究費助成事業 若手研究  若手研究

    佐々木 夏来

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    配分額:3250000円 ( 直接経費:2500000円 、 間接経費:750000円 )

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  • 多雪山地の植生およびその変遷への地形的制約―偽高山帯の有無を中心に―

    研究課題/領域番号:20K01139  2020年4月 - 2023年3月

    日本学術振興会  科学研究費助成事業 基盤研究(C)  基盤研究(C)

    池田 敦, 佐々木 夏来

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    担当区分:研究分担者 

    配分額:4290000円 ( 直接経費:3300000円 、 間接経費:990000円 )

    本州の多雪山地には,オオシラビソが優占する亜高山帯針葉樹林をもつ山と,針葉樹林帯を欠く(偽高山帯が広がる)山がある。それに関してすでに多くの研究があるが,本研究では近年利用可能になった空間情報データを用いることなどで,あらためて偽高山帯形成に寄与する諸要因の階層性や相互関係を議論することを目的としている。
    環境省が公表している1/2.5万植生図と,国土地理院が公表しているDEMをGISソフトウェア上で重ねて解析した。既存の植生図をもとに現在の亜高山帯針葉樹林を構成するオオシラビソ群集とシラビソ-オオシラビソ群集,そしてそれ以外の植生が占有する場に区分し,それぞれの気候・地形条件を比較検討した。シラビソ-オオシラビソ群集は相対的に雪が少ない山域に優占するのに対し,オオシラビソ群集や偽高山帯の分布パターンは,積雪深によって分けられるものではなかった。一方,オオシラビソ群集が優占する山域は,山域全体で傾斜が非常に緩やかという地形条件をもっていた。
    前年度の実施状況報告書「8.今後の研究の推進方策」に記載したとおり,令和3年度5月より令和5年3月末まで休業中のために,令和3年度は実質4月の1ヵ月のみが研究期間であった。その際には休業期間中に赴任予定だった代替教員と,詳細な打ち合わせを実施した。それをもとに,代替教員が一部既設測器を撤収し,破損していた機器が若干あったものの回収されたデータを得た。データの詳細な解析は,研究再開後に実施する。

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  • 第四紀火山地域における山岳湿地の形成と気候変動への応答性

    研究課題/領域番号:20J00310  2020年4月 - 2021年3月

    日本学術振興会  科学研究費助成事業 特別研究員奨励費  特別研究員奨励費

    佐々木 夏来

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    配分額:4030000円 ( 直接経費:3100000円 、 間接経費:930000円 )

    日本全国の第四紀火山を46地域を対象に空中写真で湿地(湖沼・湿原)を判読し,GISソフトウェアを用いて湿地のデータベース化を進めてきた.データベースには位置や面積を記録するのみならず,周辺地形場の状況から湿地の成因を推定して類型化し,既存研究で報告された形成年代もまとめている.まだ湿地の形成環境や形成年代の傾向を把握するには至っておらず,今後も作業を継続していく.
    苗場山と八幡平にて湿地堆積物の掘削調査を実施した.苗場山は日本屈指の多雪山地で山頂の平坦地(苗場山山頂湿原)だけでなく,低標高域の溶岩台地上(小松原湿原)にも湿地群が形成されている.泥炭層基底部の放射性炭素年代測定の結果から,山頂湿原の標高2000 m以上の平坦地では約5000年前に湿地が形成され,標高1900 mの傾斜地に位置する湿地は約1600年前に形成されたことが明らかとなった.一方で,小松原湿原の3湿地での泥炭層基底部の堆積年代は,標高の高い方から約2000年前,約700年前,約3000年前だった.これらの湿地形成時期を,既存研究で明らかにされている気候の温暖/寒冷時期と比較したが,湿原の形成開始時期と気候変動との明瞭な関係は見いだせなかった.今後,湿地縁辺部での泥炭層基底年代も分析し,湿地の拡大/縮小の傾向も合わせて気候変動との関係を検討していく.八幡平のベコ谷地湿原は秋田焼山山麓部の地すべり性湿地である.堆積物分析結果から,ベコ谷地は5000年前以前の地すべり活動で形成された凹地が湛水して湖沼になった後,徐々に水深が浅くなり,約1700年前には現在の湿原に遷移したことが明らかとなった.八幡平の他の地すべり性湿地と同様に,湖沼から湿原へと遷移する陸化型湿原の特徴を有していた.また,形成時期や遷移時期が他の地すべり性湿地と異なるのは,地形変化の影響を受けるためという既存研究の指摘を支持する結果となった.

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  • 山岳湿地の形成と発達に与える気候および地形変化の影響

    研究課題/領域番号:19K20842  2019年4月 - 2020年3月

    日本学術振興会  科学研究費助成事業 研究活動スタート支援  研究活動スタート支援

    佐々木 夏来

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    配分額:2990000円 ( 直接経費:2300000円 、 間接経費:690000円 )

    八幡平火山地域の山岳湿地を立地によって雪田型湿地,平坦地流入型湿地,地すべり性湿地の3つに分類し,観測によって1年間の土壌水分特性を明らかにし,堆積物分析から湿地の発達過程と気候変動との関係を検討した.雪田型湿地では主に天水に涵養されて6月中旬まで継続する融雪水の供給が湿潤環境の維持に大切な役割を果たし,数百年から数千年スケールの気候変動の影響を受けていた.他の2つの湿地は,天水に加えて地下水が重要な涵養源となり,雪田型湿地よりも長期間安定的に存続していた.特に,地すべり性湿地は,初生的な地すべり活動後の局所的な地形変化で,同一地すべり地内の湿地でも発達過程や発達速度が異なる場合があった.

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  • 山岳湿地の立地と環境変動に関する研究

    2018年10月 - 2020年3月

    国土地理協会  学術研究助成 

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    担当区分:研究代表者 

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